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感想「数学の大統一に挑む」

Overview

数学の読み物です。数学に関する解説ではなく、著者が著者の人生と数学への熱い思いを叫んでいる本ですw

Details

Index

はじめに 隠されたつながりを探して
第1章 人はいかにして数学者になるのか?
第2章 その数学がクォークを発見した
第3章 五番目の問題
第4章 寒さと逆境にたち向かう研究所
第5章 ブレイド
第6章 独裁者の流儀
第7章 大統一理論
第8章 「フェルマーの最終定理
第9章 ロゼッタストーン
第10章 次元の影
第11章 日本の数学者の論文から着想を得る
第12章 泌尿器科の診断と数学の関係
第13章 ハーバードからの招聘
第14章 「層」という考え方
第15章 ひとつの架け橋をかける
第16章 量子物理学の双対性
第17章 物理学者は数学者の地平を再発見する
第18章 愛の数式を探して
エピローグ われわれの旅に終わりはない

Review

本書は大きく分けて以下の2つで構成されています。

  1. 数学的な話。ただし解説はあまりない
  2. 著者やその他数学者をとりまくロシア情勢

いずれも著者視点でそれぞれの思いのたけをありったけぶつけられた結果が本書ですw 大統一に向けて、最初はそれぞれ関連が見出せなかった分野を個々にさらっと説明しつつ、著者の波乱の人生の中でじわじわと関連付けられていく様を眺める本、というイメージでしょうか。

それなりに数学を修めた方が、大統一に向けた具体的な知識を得るには不足ですし、 かといってそれほど詳しくない方が、概要だけでも掴みたい、というには難しすぎます。 ですので、完全に読み物として割り切った方がいいですね。私は序盤は数学的内容も理解しようと努めましたが、途中で雰囲気を掴む程度に逃げました...。難しい!

ロシア情勢と著者の人生については、面白く読めました。 著者はユダヤの血を引いているのですが、それに伴う差別を多々受けます。 その中で理解ある人や様々な抜け道(?)を通して数学の研鑽を積んでいきます。 しかし更なる研究のために国外に出ることは難しく、行き詰まりも感じていた頃、 ペレストロイカが発生、人生の選択肢が大幅に増え、さらに研鑽を積んでいく、 という流れです。

当時のロシアの閉鎖的な体制は、知識としては知っていましたが、 ここまでとは、と興味深く読みました。

タイトルが「数学の大統一」と書いてあるので、数学的な解説が初心者にも易しく書いてあるのかな?と誤解しましたが、これはこれで面白かったです。